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| 金需給のポイント Market analysis from supply and demand |
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| 1月中旬に2,400円を挟んでの保ち合いから上放れた東京金先限は、一時的な踊り場を経験しつつも着実に上値を追い、2月下旬には約21年半ぶりに2,700円台乗せを達成しました。昨夏から続いた原油価格の下落に歯止めが掛かったことで、機関投資家の興味は再び金を含む商品市場に向けられているようです。また、2月に入ってからは金ETFの買い残高も増えています。 |
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| 金ETFはついに580トン台へ |
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1月は金価格の上伸を背景に金ETF(上場投資信託)の買い残高が伸び悩んでいましたが、価格が650ドルを突破してさらなる上値がみえてきた2月上旬には再び増え始め、ついに580トン台に達しました。
これは、長期投資を旨とする年金ファンドが、金価格が700ドルに乗ることを「時間の問題」と捉えている証でしょう。インドや中東諸国などの実需筋は、価格が650ドルを超えるとさすがに買いを手控えます。そんな中、中長期的な視点から金ETFを着実に買い増している年金ファンドの存在は、金相場にとって大きな支援材料となっています。 |
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| 円ショートの巻き戻しも |
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シカゴIMMにおける円の売り越し残高は、2月中旬の時点で約16万7,000枚という史上最高水準にあります。日米欧の金利差を背景とする円のキャリー・トレードが活発化した結果ですが、さすがに売られ過ぎ感が強まっており、きっかけさえあればこれを買い戻す動きが出ることも予想されます。その場合、円は対主要通貨で上伸し、「円高」が東京金の上値を抑えるでしょう。日銀金融政策決定会合などのイベントには注意を払う必要があります。 |
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| 実需筋は徐々に高値慣れ |
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貴金属の調査機関GFMS(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ)が発表した需給報告「Gold Survey 2006 Update2」によると、2006年における金の鉱山生産量は前年比55トン(2.2%)減の2,467トンで、2004年並みの低水準となった見込みです。金価格の値上がりによって鉱山会社の収支が改善され、南アフリカなどではようやく新規鉱脈の開発も再開されたようですが、それらの鉱脈で実際に金が生産され始めるのは3〜5年後です。
それまでは、供給面の不安が宝飾用需要の増加とともに金相場の下支え要因となるでしょう。 |
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| 過去の動きから学ぶ金相場 Technical analysis of recent market trends |
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2004年以降の金相場の特徴
2005年:投機資金の流入によって内外で過熱気味となり、11月以降は乱高下を演じる
2006年:年初から5月にかけて急伸するも、夏以降はマネーが流出して上値重く推移
2007年:年初から原油の反発を背景に買われ、2月には約21年半ぶりの高値圏へ |
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トロイオンス(Troy Ounce)
一般の重さの単位である常衡(ポンド、オンス)に対して金銀、宝石などの重さの単位はトロイ衡(Troy Weight 別称:金衡)を使う。常衡1オンス(記号 oz)=約28.35グラムに対して、1トロイ オンス(記号oz t:OZ-T)は、約31.1035グラムとなる。12トロイオンスで1トロイポンド(Troy Pound,記号lb t)。トロイ衡は、中世には通貨の単位ともなり、銀1トロイポンドが1ポンド(Sterling Pound)と制定された。1oz t=24K、18金のKはKaratで含有率・純度を表す。18/24=0.75(75%)。ダイヤモンドの重さでは、Caratを使い、液量では1オンス=29,578ml(米国)となる。 |
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| 2,700円突破後に調整か |
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2006年11月上旬から年明けまで続いたレンジ相場(2,350〜2,450円)を上放れたことで、テクニカル面の好転が顕著になりました。2月下旬には心理的な上値抵抗線となる2,700円前後まで上げるなど、勢いは増すばかりです。
ただ、年明けから約2ヵ月間の上昇幅がすでに200円を超えたことに加え、2,700円台に乗せた後は達成感による売りが出ることも考えられるため、調整局面が近いと予想されます。その場合、年初からの上げ幅の3分の2押しに当たる2,600円台前半まで一時的に下押す可能性もあります。 |
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| 流れを変えた年初からの上昇 |
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年初の急落によって600ドル付近での底堅さを確認したNY金は、そこから買い優勢の展開に。2月下旬には680ドル台まで上昇しました。7週連続での陽線引けとなっているため、東京と同じく近いうちに修正局面入りするとみられます。
もっとも今回の急上昇によって、トレンドラインが大きな三角保ち合いを形成していた2006年後半の沈滞ムードは一掃されそうです。仮に短期的な下落があったとしても、それは上昇前の準備段階というべきでしょう。2006年5月以来となる700ドル大台乗せも現実味を帯びてきました。 |
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2005年の鉱山生産は前年より少し増えましたが、依然として低水準にあります。南アフリカの深刻な減産が主な原因です。ただ、中国やペルーといった国々での新規鉱山開発が成功しているため、将来的には再び鉱山生産が増えるとみられています。
一方、需要面では金宝飾品消費国が高値に慣れていないようですが、投資用需要は活発です。世界的な過剰流動性の中、国際情勢の不安定化もあって、マネーが金市場に流れ込みました。特に金ETF(上場投資信託)の人気には目を見張るものがあります。 |
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| 供給の6割を担う鉱山生産 |
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供給面で最も大きな割合を占めるのは鉱山生産で、過去数年にわたっておおむね60%台で安定的に推移しています。中古の金を二次利用するスクラップ回収は、金価格が上昇すれば増加し、下落すれば減少しながら、金の供給を支えています。公的売却は最近、ほぼ500〜600トン台に落ち着いており、相場を大きく動かすことは少なくなりました。 |
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| 宝飾需要が実需の鍵を握る |
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需要面では宝飾用が全体の約7割を占め、実需の牽引役となっています。逆にいえば、実需筋の動向は宝飾品消費国の景気や、金価格に大きく左右されるということです。また、2000年以降は生産者ヘッジ(売りヘッジの買い戻し)も盛んになってきました。ただ、金価格があまりに上昇すると、生産者(鉱山会社)も買い戻しにくくなるでしょう。 |
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| 鉱山生産は2006年以降の回復に期待 |
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生産コストの上昇によって、世界一の産金国・南アの減産に歯止めが掛からず、ここ2年ほどはそのことが全体の鉱山生産量を圧迫しています。ただ、2006年には同国で新規開発中の鉱山が本格操業を始める上、中国やペルーといった新たな生産国も出てきています。従って、今後の鉱山生産量は徐々に増加していくと考えられています。 |
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| 公的売却は安定的に推移 |
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公的売却は、第1次ワシントン協定が締結された1999年以降、年間500〜600トン台で推移しています。2005年には656トンまで増加しましたが、これは一過性のものでしょう。イランの核問題を始め国際情勢が不安定化する中、各国中央銀行は金準備の重要性を再認識しています。よって今後、公的売却が大きく増加する可能性は低いと考えられます。 |
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| 投資用需要は今後も拡大見込み |
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2005年の投資用需要は736トンで、2004年(312トン)の2倍以上となりました。特に、分散投資先として商品全体が注目を集めた年後半の伸びが大きかったようで、ファンド勢や富裕層を中心としたマネーの金市場への流入が加速していることをうかがわせます。大量のマネーが流れ込むことで、金価格は引き続き押し上げられていくでしょう。 |
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| ヘッジの買い戻しは当面続く |
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かつて、鉱山会社は金価格の下落リスクを打ち消すため、売りヘッジを行っていました。ですが、金が長期上昇局面の入り口に立った2000年以降は、それを逆に買い戻しています。2005年はそのペースがやや鈍化したものの、売り超過には傾きませんでした。市場には、まだ1673トンもの売りヘッジが残っており、その買い戻しは今後も続きそうです。 |
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| 用語集 |
GFMS |
(ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ)
貴金属に関する調査・分析を行うコンサルタント会社。年1回(4〜5月)発表される金の需給報告書「Gold Sur-vey」の内容は、市場関係者の注目の的。本部はロンドン。 |
WGC |
(ワールド・ゴールド・カウンシル)
金に関する調査・広報を行う非営利団体。主要な金鉱山会社によって1987年に設立された。世界各国でセミナーを開催するほか、四半期ごとに金需給の詳細な報告書を発表している。本部はロンドン。 |
トロイオンス(TOZ) |
貴金属の重量単位。1トロイオンス=31.1035gで換算される。単に「オンス」ともいう。国際的な貴金属取引は1トロイオンス当たりの米ドル建てで行われている。 |
ロコ・ロンドン |
「ロコ」は貿易の条件で「現場渡し価格」を意味する。コ・ロンドン」は現物の受渡場所をロンドンにした場合の価格。現在、これが金現物取引の国際標準となっている。 |
リースレート |
金現物を市場(リース市場)で貸し借りする際の貸出金利。一般的に、貸し手は中央銀行で、借り手は現物を必要とする商社や貴金属ディーラー。供給不足の場合、リースレートは上昇する。 |
産金コスト |
鉱山会社が金地金を採掘する際に必要な費用。1トロイオンス当たり米ドルで表示される。鉱山ごとに、鉱床の深さや採掘・精錬方法、また鉱石の金含有量によって異なる。 |
ワシントン協定 |
欧州の各中央銀行が、保有金の売却量について一定の上限を定めたもの。1999年に第1次、2004年に第2次協定が発効。第2次では売却量を「年間500トン、5年間で2500トン以内」としている。 |
スクラップ回収 |
一度使用された金を回収し、工場で再生処理した後で再び市場に出すこと。一般的に新産金よりも安価。金価格が上昇するとスクラップ回収が増加するという傾向がある。 |
金のETF |
(Exchange Traded Fund=上場投資信託)
金を担保とする小口証券。発行元が金現物を保有しなければならないため、証券を通じて現物取引をするに等しい。10分の1オンスから取引できる手軽さがうけて、2004年11月にNY証券取引所で上場されて以来、機関投資家の分散投資先として人気を博している。 |
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| 取引要項〈詳細は東京工業品取引所ホームページの取引ガイドを参照〉 |
| 取引の種類 |
現物先物取引 |
| 標準品 |
純度99.99%以上の金地金 |
| 売買仕法 |
システム売買による個別競争売買(複数約定) |
| 限月 |
新甫発会日の属する月の翌月から起算した12ヵ月以内の各偶数限月 |
| 当月限納会日 |
受渡日から起算して4営業日前に当たる日。 |
| 受渡日 |
毎偶数月末日。ただし、12月の受渡日は24日。(受渡日が休業日又は半休業日に当たるときは、順次繰り上げる。) |
| 受渡供用品 |
標準品と同等であって、取引所が指定する商標等の刻印のあるもの。受渡の供用量目の増減はなし |
| 受渡場所 |
取引所の指定倉庫(東京都所在の営業倉庫) |
| 受渡方法 |
渡方は受渡品にかかわる取引所指定倉庫発行の倉荷証券を、受方は受渡値段による受渡代金を、それぞれ東京工業品取引所に提出して行う。 |
| 立会時間 |
前場:午前9時〜11時
後場:午後0時30分〜3時30分
立会開始時は期近限月から順次2分ごと |
| 取引単位 |
1キログラム(1枚) |
| 受渡単位 |
1キログラム(1枚) |
| 呼値とその値段 |
1グラム当たり1円刻み |
| 制限値段幅 |
標準価格(円)
1,100未満
1,100以上〜1,600未満
1,600以上〜2,100未満
2,100以上 |
制限値段(円)
30
40
50
60 |
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取引本証拠金基準額
(1枚当たり)※注1 |
標準価格(円)
1,100未満
1,100以上〜1,600未満
1,600以上〜2,100未満
2,100以上 |
取引本証拠金基準額(円)
45,000
60,000
75,000
90,000 |
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| 建玉数量の制限 |
限月の区別なく5,000枚(売又は買のそれぞれの建玉数量) |
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| ※注1 取引本証拠金基準額は最低額であり、上記を上回る額が設定されることもあります |
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| お取引の計算例 |
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東工取の金先限を2,000円で10枚買い、2,200円で転売した場合
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(1)暴落後、短期間で急反発(1999年5月〜10月)
東京金は1999年5月7日の1110円から9月16日には836円まで急落しました。しかし、そこから反騰。10月7日には1101円まで値を戻しました。
これは、各国中央銀行の金準備を巡る動きが原因でした。1999年5月、イギリスが415トンの売却を発表。さらにスイスやIMF(国際通貨基金)も売却に動くとのニュースが流れると、金は一気に売られました。ですが、金準備売却に制限を設けるワシントン協定が9月に締結されると、今度は「安くなった金」が買い戻されて高騰しました。
(2)900円台での揉み合い続く(2000年4月〜10月)
乱高下が収まった東京金は、2000年4月からの約半年間、900円台での揉み合いが続きました。
それまで、金相場の下落を見込んでいた各鉱山会社は、金の売りヘッジを出していました。しかし、ワシントン協定締結で相場が底を打ったため、新たな売りヘッジを中止しました。ですが、その一方で欧米の投資家からはバーやコインといった現物の売り(退蔵放出)が活発化しました。その結果、この時期の東京金は上下どちらにも動きづらい相場つきとなりました。
(3)投機資金が流入し、安定的に上昇(2000年11月〜2001年9月)
2000年11月から2001年9月の東京金は、上昇とそれに対する調整安を繰り返しながら着実に上値を追っていきました。この間に、価格帯は900円付近から1100円前後まで切り上がりました。
これには、2つの大きな要因があります。1つは、各鉱山会社が金の売りヘッジを買い戻しに掛かったこと。もう1つは投資家の関心が金に向いたため、市場にマネーが流れ込み始めたことです。現在に至る金相場の長期上昇トレンドは、ここからスタートしたといえます。
(4)テロ不安を背景に急騰(2001年9月〜2002年2月)
2001年9月以降、東京金のチャートには長めの陽線が目立つようになり、押し目らしい押し目もないまま一気に値を飛ばしました。そして2002年2月8日には、1319円の高値をつけました。
急騰の引き金となったのは、9月11日に米国で発生した同時多発テロです。それ以降、世界中でテロに対する警戒感が高まり、「安全資産」として名高い金が買われました。また、ドルが下落したために金市場への資金流入も激しくなり、買いが買いを呼ぶ状況となりました。 |
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